あこがれの有次(ありつぐ)
2010年 02月 07日
お正月に父母の家に行って、30年以上も前に私が京都に行ったときのおみやげだったおろしがねを引き出しの奥から、みつけました。
「大根おろしは、力もいるしもうあまり使わないの」というので、
もらってもいい?ときいて、京都の有次のおろしがねが我が家にやってきました。
もう目が倒れていたので、目立てを御願いするために、有次へおろしがねを送りました。
何日かたって、リンリンとベルがなるので電話に出ると京都弁です。
どきどき。
「ほんまでしたら、まだ目立てしませんでも大丈夫なんですけれど、せっかくお送りくださいましたので、立てさせていただきます」
「どのくらいになったら、目立てを御願いする、ということになるんでしょうか」
「それは、指をすべらせて、ひっかからしませんときですねえ」
”指がひっかからなかったら、大根もひっかからしまへんのではないどすか?”
とききたかったけどやめました。
それは京都千年の秘密かもしれないからです。
おとつい
「ゆうじさんからこづつみでーす!」と元気な郵便局のお兄さんが荷物をもってきてくれました。
京都新聞につつまれています。
京都があこがれの私はもうそれだけで、うっとり。
求人情報の住所も京都なんですから!
働けるわけもないのに、じっと求人欄をみるわたくし。
だいこんおろしは、ぴかぴかになって、戻ってきました。
何年か前に家族で京都に行った時、錦市場の有次ですりこぎとお茶こしを買ってきました。
そのときのお茶こしがお値段はもうとてもお手頃なのに、すごくすぐれたお茶こしだったので、
ついでにもう一個、と送っていただきました。
まだ全くこわれてなんかいませんが、いつかこわれても安心なように。
そして、冬の朝ご飯、夫の一番人気の湯豆腐に使う豆腐すくいも。
お豆腐がきっとおいしくすくえます。
私は、30年前母に大根おろしを買ったときから、ずっとこのお豆腐すくいがほしかったんでした。
夜になって、新しくなったおろしがねで、大根おろしを作りました。
夫の父が好きだったかつおぶしをかけた大根おろしです。
きめが細かく甘い美味しい大根おろしができました。
指をすべらせてもひっかからなくなったら(!)また京都へ送って直していただこうと思います。
そして、それを何回かしたら、今度は私の手の力がなくなって
このおろしがねは、ムスメたちのものになるのかも。
たくさんの食卓の思い出もいっしょに、ムスメたちにお下がりできたら、と思っています。
by forest_garden
| 2010-02-07 16:25